優しい人間に”なりたい”のに”なれない”。

日常のお話

電車でお化粧をする女性

”優しい人間になりたい”と日頃から思っています。

それは、いつもニコニコしているとか、人への態度が物腰柔らかいだとか、それだけではなく、心の中までも優しくなれないものかと考えるのです。

でもそれはなかなか難しいものです。

優しくなれない自分の心に対面した、こんな出来事がありました。

私は毎朝、電車に乗って通勤しています。

今朝も少し早めに出た甲斐があって、ホームの列の先頭に並ぶことができました。

私が乗車した時、座席は2、3席空いており、その日は運良く座ることができました。

席に着いて通勤鞄を太ももの上に乗せ、落ち着いた状態でふと顔を上げるとお化粧をしている女性が座っていました。はじめに持った感想は、

(なぜ、ここで?)

でした。

女性は自分の座席の範囲内に収まるようにして、こじんまりとお化粧をしていました。

粉が舞うようなものは使っていませんでしたし、誰かに迷惑をかけているとか、私が迷惑を被ったなんてことはありませんでした。

ただ、私の”なぜ?”は、女性に対して好意的なものでは一切なく、どちらかと言えば嫌味なものでした。

気づきを与えてくれた同僚の言葉

 「想像力のない人は、優しくない。」

好きな男性のタイプの話題があがった際に職場の女性社員の方が言っていた言葉です。

想像力。もし、あの女性に小さな子供がいて、ばたばたと朝の時間を過ごし、自分のお化粧のことなど後回しで、子供を保育園に預け、急いで電車に乗ったのだとしたら?

事実がどうなのかは分かりません。分からないからこそ、色々な見方を想像すべきなのだとも思いました。

そして、そんな想像力のある人は恐らく感じ方さえも、優しい受け取り方をするのではないかな、と思います。

見た目だけ優しいを演出することは社会人となり、多少は身につきました。

しかし、優しい受け取り方をした上でそれが優しい行動に移されるのであれば、自分に嘘をつかないでいられると思うのです。

おわりに

「口紅が目立つと恥ずかしいと思うから。」そんなように、来客に対して赤いストローを用意した、優しかった先輩が前の職場にいらっしゃいました。

彼女は優しく聡明で、明るい人でした。

今でも人にお願い事をする時や、感謝を伝える時にあの先輩ならなんて言うだろうか、と一呼吸置くきっかけになってくれる存在です。

先輩も想像力に長けた人だったと思います。

私も人の気持ち、生活、理由を想像していこうと思った、今日この頃なのでした。

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