信じていた基準を精査する必要があると感じた話。

日常のお話

基準にしている物差しは、案外粗略なものだったりします。

下着屋さんで

数年前、ブラジャーを購入しに行ったときのことです。

当時21歳。お恥ずかしながら、下着屋さんでフィッティングなるものを、当時の私はしたことがありませんでした。

フィッティングでは、いわゆる採寸だけではなく、下着屋の販売員さんが下着を着用しているところを見たり、的確な質問をしたりして、より自分に合った下着や付け方を説明してくれるものです。

それまでは2、3年前に測ったサイズを基にブラジャーを選んでおり、決まったカップ数のものを購入するようにしていました。

実際、フィッティングの際に採寸をすれば、以前までのカップ数と相違はなく、多少のサイズアップを期待していた私には少々残念なものでしたが、サイズダウンしていないだけ良かったとも思いました。

ちなみにその時は、採寸からフィッティングまでの全ての工程を、三十代くらいの“快活“という言葉の似合う女性に対応して頂きました。

その方は店長のようで、下着に関する知識も豊富にあり、何より話しかけやすい雰囲気を纏った接客が、下着の販売員というお仕事が、彼女にとっての転職のように思わせました。

店長は、試着室で私の下着の着用姿を見るなり、
「少しサイズが小さいですね、別のサイズのものをお持ちします。」
と言って、ほんの数十秒で、同じブラジャーの2カップ大きいサイズのものを持って来てくださいました。

正直、そこまで小ささを感じていなかったこともあり、
(持って来てもらったにも関わらず、サイズ感が合わなかったらどのように伝えよう?)
と、不要な考えを巡らせていました。

ところが、持って来てもらったものを着用すると、それは今までのものとは異なり、脂肪をお椀の中に綺麗に収納してくれるもので、形も明らかに良くなったことが、一見しただけで理解できました。

純粋に感動と驚きを味わいました。

その後もブラジャーの正しい着用方法やお手入れの仕方など丁寧に教えて頂き、素敵なお買い物をすることができました。

信じていた基準が案外ちんけであるということ

2カップ分いつもより大きなブラジャー。

今まで採寸した数字を信じて疑わなかった私は、その時まで、ずっと同じカップ数のものを購入していました。

ところが、あの時接客頂いた店長さんによると、ブランドごとにサイズが違うことも多いことや、体の変化もあるためできれば半年に一回はフィッティングをした方が良いことを教えてくださいました。

私が信じていた採寸の数字は、全てを鵜呑みにして信じられるほどの、“正しいサイズを確約された基準“ではなかったのです。

私たちの生活において、信じていた基準が案外ちんけであるということは、よくあることのように思います。

ずっと信じている基準さえも一度立ち止まって、本当に信じていいものかと精査する必要があるな、と買い替えどきのブラジャーを見ながら思った、今日この頃なのでした。

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